タケイブログ

ほぼ年1更新ブログ。

読書

ギークなぼくらのオモチャ箱――アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』上下巻感想

ツイッターで映画化が企画されていると聞いて最近読んだこの二冊。ゲームウォーズ(上) (SB文庫)作者: アーネスト・クライン,toi8,池田真紀子出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2014/05/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (35件) を見るゲームウ…

大豆を巡る探求の旅――瀬川深『SOY! 大いなる豆の物語』感想

SOY! 大いなる豆の物語 (単行本)作者: 瀬川深出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/03/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る ある日、二十七歳無職青年・原陽一郎の下に届いた一通の手紙。それは南米に本社を構える穀物メジャーのCEO、コ…

デヴィッド・ブルックス『迷宮都市』感想

オーストラリアの文学者・デヴィッド・ブルックスによる短編集。友人から紹介されていたのをやっと読了した。 本書に収録された短編のほとんどは数ページ程度の長さであり、その内容は不思議なシチュエーションを描いた一種の幻想小説である。だが必ずしもそ…

愛あればこそ! ――瀬川深『ゲノムの国の恋人』感想

ゲノムの国の恋人作者: 瀬川深出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 瀬川深『ゲノムの国の恋人』を読了。ゲノム解析を専門とする日本人研究者が、「七人の令嬢の中から最も理想的な花嫁を選んでほし…

映像がもたらす「恐怖」――高橋洋『映画の魔』

映画の魔作者: 高橋洋出版社/メーカー: 青土社発売日: 2004/09メディア: 単行本 クリック: 27回この商品を含むブログ (32件) を見る『女優霊(1996)』で中田秀夫監督とコンビを組み、つづいて『リング(1998)』『リング2(1999)』を世に送り出してJホラーの一大…

”正統派文学”の空虚な中心――かじいたかし『僕の妹は漢字が読める2』感想

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)作者: かじいたかし,皆村春樹出版社/メーカー: ホビージャパン発売日: 2011/10/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 167回この商品を含むブログ (34件) を見る ご存じの通り、本作は「漢字が使われなくなり、萌え文化がメイ…

漢字が読めない「僕」の文学――かじいたかし『僕の妹は漢字が読める』感想(修正版)

作家を志す高校生のイモセ・ギンは、現代文学の旗手であるオオダイラ・ガイに会うために、妹のクロハとともにトウキョウにある彼の邸宅にやってきた。クロハのフォローもあって彼らは、二十人もの「妹」たちが外壁を彩るオオダイラの邸宅に招かれることにな…

【読書感想】宇野常寛『ゼロ年代の想像力』自分用まとめ

宇野常寛『ゼロ年代の想像力』読了したので、自分なりにまとめてみた。引用多し。 けど実家に帰省中でPCがないので構成しづらい。 また今度修正する。■ 消費社会の浸透とそれに伴う社会の流動性上昇の過程で、「大きな物語」が機能しなくなるポストモダン状…