タケイブログ

ほぼ年1更新ブログ。

2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年鑑賞映画総括

という訳で今年もやります。■映画鑑賞本数&私的総合ベスト10新作 103本 旧作 58本 合計 161本※「新作」は2013年に日本で劇場公開した作品(ビデオスルーを含む) ※「旧作」は「新作」以外のもの(同一作品の二回目以降の鑑賞はこちら)これらの「新作」の中から…

『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』

英国人録音技師のギルデロイは、新たな赴任先のイタリアのスタジオで初めてホラー映画の音響製作に携わる。だが閉塞した環境の下で彼は次第に狂気に陥っていく。本作は彼の主観に沿ってその様子を追う。"シッチェス映画祭"ファンタスティックコレクション201…

デヴィッド・ブルックス『迷宮都市』感想

オーストラリアの文学者・デヴィッド・ブルックスによる短編集。友人から紹介されていたのをやっと読了した。 本書に収録された短編のほとんどは数ページ程度の長さであり、その内容は不思議なシチュエーションを描いた一種の幻想小説である。だが必ずしもそ…

不安の種は日常に蒔かれる――『不安の種』評

バスルームで女性が髪を洗っている。ふいに、湯船の水面がざわめき始め、次第に山のように盛り上がっていく。だが女性はシャワーを浴びていて気付かない。水の中から彼女を見つめる、人の頭のような「ナニカ」に。翌日、隣室の主人公は彼女が死体で発見され…

愛あればこそ! ――瀬川深『ゲノムの国の恋人』感想

ゲノムの国の恋人作者: 瀬川深出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 瀬川深『ゲノムの国の恋人』を読了。ゲノム解析を専門とする日本人研究者が、「七人の令嬢の中から最も理想的な花嫁を選んでほし…

白石晃士監督作『カルト』感想

7/20-7/26の一週間限定上映。公開初日に鑑賞してきた。 ありきたりの心霊レポートが思わぬ方向に……というのはホラーの定番なんだろうけど、その過程で「いかがわしさ」をどんどん積み重ねていく白石監督のやり方は相変わらず上手い。 たとえば霊能者の描き方…

『V/H/S シンドローム』感想

若手映像作家6人によるホラーアンソロジー。ある屋敷に侵入したチンピラたちが、そこに遺された謎のVHSテープを一本ずつ観るという、いわゆるファウンド・フッテージものです。 個人的には大いに楽しみましたが、とても万人向けではないなというのが正直な感…

彼はヒーローであっても変態ではない――『HK/変態仮面』評

何より主演の鈴木亮介が見事だ。ほぼ全裸の体をくねらせての格闘、股間の「おいなりさん」を駆使した必殺技の数々。次々と繰り出されるきわどい絵面は彼の鍛え上げられた肉体により鮮烈さを増している。また彼の実直そうな顔は、変態仮面の正体・色丞狂介役…

過剰なショーマンシップの果てに――『オズ はじまりの戦い3D』評

まず3D演出の迫力。切り絵風のOPクレジット、燃え上がる炎、しゃぼん玉の膜。飛び出して見える被写体の選択が適切だ。とりわけ急流下りの場面はオズ視点の映像とあいまって臨場感がある。また『オズの魔法使』を踏襲する画面色の変化の演出にはサイズの変…

距離を測り合う人びと――『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』第二話感想

「生まれ変わったら、熊になりたい」 生物のレポートでなぜか群れたがる人びとへの批判を展開した挙句、そのように書きつける。奉仕部に入部してなお比企谷八幡は相変らずだ。 昼休み、雨天により憩いの場である屋上が使えず、八幡は仕方なく教室で昼食をと…

ジャッキー・チェンは優しすぎる――『ライジング・ドラゴン』感想

以前、アテネフランセ文化センターで開催された「映画の授業」。その講義で講師を担当していた塩田明彦氏は、確か次のようなことを話していたと思う。 「ブルース・リーが革命的だったのは、通常の肉弾戦がありふれていた中、彼のハイキックが「いかに高く飛…

高二病よりは不器用な八幡くんのこと――TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』第一話感想

幼い頃から友達がおらず、作ろうともせずに過ごして来た高校生・比企谷八幡。その性格に難アリと教師から断定されてしまった彼は、矯正のために部活に入部させられてしまう。その部活動とは、非公認ながら生徒の問題解決を手助けするという「奉仕部」だった…